当クリニックでは、神経ブロックによる痛みの診断と治療を中心として行っています。患者さんは腰下肢痛、頸肩腕痛を主とした腰椎、頚椎の脊椎疾患、帯状疱疹関連痛、三叉神経痛、頭痛、変形性膝関節症や五十肩を主とした関節疾患が数多く受診しています。その中で脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、骨粗しょう症、圧迫骨折、坐骨神経痛による腰下肢痛の患者さんが一番多く、1日あたり腰部硬膜外ブロックを約40症例、年間9986例、1日あたり腰仙骨部神経根ブロックを3症例以上、年間956例で施行しています。頸肩腕痛の患者さんには主に腕神経叢ブロック、星状神経節ブロック、頚椎神経根ブロック等を施行しています。
レントゲン透視下による神経根ブロックや超音波エコーを用いた、安全かつ確実な方法でブロック治療を施行しています。2019年1年間のエコーガイド下での神経ブロック数は2713例で、年々エコーガイド下のブロックの件数は増加しており、また、神経ブロック以外にも関節内注射や腱鞘内注射にもエコーを活用しています。
帯状疱疹関連痛の患者さんも多く受診しています。帯状疱疹後神経痛が残存しないように特に発症より半年以内の患者さんには積極的に神経ブロック治療をおこなっています。三叉神経痛やがん性疼痛に関しては、局所麻酔薬だけではなく、高周波熱凝固を用いて痛みを遮断する方法も行っています。
当クリニックでは、できるだけ速やかな痛みの緩和をこころがけ、患者さんの生活の質の向上を治療目標としています。
(件数 / 年)
≪非透視下ブロック≫ | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エコーガイド下 | エコーガイド下 | エコーガイド下 | エコーガイド下 | |||||
頸部硬膜外ブロック | 6 | - | 10 | - | 6 | - | 3 | - |
胸部硬膜外ブロック | 46 | - | 16 | - | 5 | - | 7 | - |
腰部硬膜外ブロック | 10,667 | - | 10,101 | - | 10,106 | - | 9,986 | - |
仙骨硬膜外ブロック | 396 | 81 | 564 | - | 489 | - | 421 | - |
腕神経叢ブロック | 128 | 1,487 | - | 1,766 | 75 | 1,752 | 23 | 1,832 |
星状神経節ブロック | 803 | 228 | 283 | 359 | 980 | 438 | 632 | 262 |
肋間神経ブロック | 389 | 412 | 530 | 468 | 698 | 426 | 889 | 619 |
後頭神経ブロック | 142 | - | 84 | - | 55 | - | 87 | - |
三叉神経ブロック (1.2.3枝) | 521 | - | 451 | - | 581 | - | 397 | 206 |
関節内注射(膝、肩) | 4,015 | - | 2,524 | - | 3,738 | - | 3,623 | - |
ボトックス注射 | 24 | - | 19 | - | 13 | - | 14 | - |
(件数 / 年)
≪透視下ブロック≫ | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
---|---|---|---|---|
頸部神経根ブロック | 78 | 40 | 29 | 23 |
胸部神経根ブロック | 56 | 66 | 108 | 138 |
腰部神経根ブロック | 500 | 438 | 630 | 574 |
仙骨神経根ブロック | 311 | 416 | 415 | 382 |
腕神経叢ブロック | 183 | 166 | 158 | 232 |
ガッセル神経節ブロック | 8 | 4 | 6 | 2 |